論文紹介についてのガイドライン

金森 由博 (kanamori<AT>cs.tsukuba.ac.jp)
2011/4/7, ver. 1
2013/4/16, ver. 1.1

はじめに

研究室で行われる、PowerPoint を使った論文紹介の際に、押さえておくべき項目をガイドラインとしてまとめました。自分が論文を書くときに押さえておくべき項目でもあります。

スライドで説明すべき事柄

  1. なぜその論文を紹介しようと考えたか? 自分の興味のある研究テーマとどう関係するか?
  2. 論文のタイトル、著者名、発表された年、学会名・ジャーナル名。
  3. その研究の目的は何か? 研究の背景となる事柄は何か?
  4. 関連研究のうち、その論文の研究と最も関連する 2, 3 本の論文はどれか?
    またそれらは、その論文の研究と何が関連していて何が違うのか?
  5. その研究の前提となる条件は何か?
  6. 入力は何か?
  7. 出力は何か?
  8. 手法の計算手順はどうなっているか?
  9. なぜそのような方法を用いるのか?
  10. 結果の評価方法は何か? 他の方法よりどのくらいよいのか? 論文の最初に示された目的を果たせているか?
  11. その研究で制限事項や今後の課題として挙げられている項目はないか?
  12. 自分の研究にどのように活かせそうか?

その他の注意事項

  1. できるだけ早めに準備して、先輩などに内容をチェックしてもらう。
  2. 参加者の理解が深まるように、わかりやすい説明を心がける。
  3. 必要に応じて、論文には詳細の書かれていない項目の補足説明を加える。
    例えば「○○にはAという手法を用いた」とある場合は、よりよい議論のために できるだけそのAという手法についても調べる。
  4. 論文中の図をできるだけ多く用いて解説する。
    普通、論文の大事なところには図を用いた解説がなされるので、 図とそのキャプション(説明文)だけを見てもある程度内容がわかるようになっている。
  5. 論文の著者の Web ページなどに論文を解説した動画があれば、それも発表の冒頭で再生して紹介する。その他、参加者の理解を助ける資料があれば積極的に利用する。
  6. フォントサイズを小さくしすぎない。 18 pt 以下だと紙に複数ページをまとめて印刷したとき読めない。
  7. 図にはキャプションを入れる。